リリース:2016年4月
レーベル:Universal records
フォーマット:CD
歌詞カード:あり
収録曲:
01. Two Four
02. Taciturn
03. I will Wait
04. Give Me A Break
05. Someone
06. Gust Ko - feat. Alexa Ilacad
07. Pause
08. Bilog - feat. Yeng Constantino
09. Respeto
bonus track:
10. Flyinn rider - feat. 6cyclemind
一口メモ…
2013年にデビューしたGracenoteのセカンドアルバムです。
元々5人組でスタートしたようですが、現在はボーカルとベース、ドラムのトリオ編成。
バイオリンやピアノも演奏するボーカルのEuniceがリーダーのGracenoteのサウンドは他のOPMポップ・ロックバンドとは一味違うもの。
プログレッシブロック〜ニューウェイブ系のサウンドはユーリズミックスやティアーズフォーフィアーズなどブリティッシュ勢を彷彿させますが、メロディが基本的にポップで明るいタッチのものが多くコール・ミーの大ヒットを持つアメリカのバンド「ブロンディ」に近いものも感じさせます。
プログレ、ニューウェイブといっても決して難解で深遠なものではなく、あくまでもポップバンドサウンドとして聴かせるこのアルバム、日ごろOPM王道系のアーティストを聴いていらっしゃる方にも楽しめるものとなっています。
多彩な楽器やシンセを使ったきめ細かなアイデアが盛り込まれた楽曲は、最近のメインストリームで活躍しているポップ・ロック系バンドには珍しく、どちらかと言えば地方の(バギオのセッションロードバンドのような)グループに多いと思われますが、Gracenoteのメンバーは全員生粋のマニラっ子、そういう点ではバービーアルマルビスファンの方にも気に入っていただけるのでは…と思います。
ボーナストラックとして収録されたトラック10は人気ポップバンド「6cyclemind」をフィーチャーしていますが、そのサウンドはエスニックな香り漂うもので、リコーダーでしょうか、シンセで弾いているのでしょうか不明ですが、そんな音色の楽器が使われていて印象的な1曲です。
余談ですが、このアルバムはバンドが所属している「Soupstar music」がサウンドだけで無くジャケット制作まで手がけ、大手のUniversal recordsが自前の流通網に乗せて販売している模様。
ショービズ界のトレンドに流されず独自のサウンドを追求するレーベルが作った作品を大手が全国販売をしていくというのはアーティストにとってはよいことなのでは…、こうした流れが今後もっと盛んになればますます魅力的で多様なアーティストが日の目を見ることになると思われます。
最近頓にリスクが増したフィジカルCDを扱う現場でこうしたバンドの作品の流通に名乗りを上げたUniversalにも拍手!です。