リリース:2016年9月
レーベル:Star music (Star records)
フォーマット:CD
ディスク枚数:1
歌詞カード:あり
収録曲:
01. Hibang
02. Stay
03. One More Chance
04. Suntok Sa Buwan
05. Paano Na Kaya
06. Ipagpatawad Mo
07. Paano Ba Ang Magmahal
08. Kulang
09. Lihim
10. Mahal Ko O Mahal Ako
11. Para Lang Sa'Yo
12. Ikaw
13. Baby I Do
14. Hanggang
15. Makita Kang Muli
bonus track:
16. Ambon (theme song of How To Be Yours)
一口メモ…
Star music(Star records)から昨年コンビ結成した新人デュオMigz & Mayaのデビューアルバムがリリースされました。
シンガーソングライターのMigzは2005年、TV5のオーディションを受けますが、デビューには至らず、Youtubeに自作曲やカバー曲のパフォーマンスをアップして徐々に人気を獲得してきました。
女性シンガーのMayaは2002年にABS-CBNのオーディション番組Star For A Nightにエントリー、この年はSarah Geronimoがウイナーとなり話題となりましたが、Mayaはその次点入賞者(ファイナリスト)に選ばれ(ファイナリストにはAngeline Quintoも選ばれています!)Sarahのファーストライブアルバム(2004年リリース・VCD版のみ)にも登場しています。その後ソロデビューの機会に恵まれず渡米、アメリカで結成されたアジア各国の女性シンガーによるユニット「Blush」のメンバーに抜擢され、いきなり世界のショービズシーンにデビューします。
MayaはBlushバンドの次のステップのため活動を一時休止している間に母国フィリピンへ帰国、フィリピン人らしく常に活動していたい彼女は活動休止中のBlushを脱退、フィリピンのショービズ界に籍を置くことになります。
そこでMigzと出会いユニットを結成、昨年(2015年)からライブ活動を行っていましたが、今回晴れてアルバムリリースとなりました。
MayaのボーカルはYeng Constantinoのようなハスキーでキュートな声質に「通りの良さ」を足したような雰囲気で、フィリピンのドメスティックシンガーにはないテイストを感じさせるのはワールドワイドな舞台で活動していた経験によるもののような気がします。
収録曲はMigzの自作曲(トラック09)に新進気鋭のソングライターによる最新オリジナル曲、OPMポップヒットのリメイクなどなど全15曲。
トラック01はJulie Anne San Joseらにお洒落な楽曲を提供しているToto Soriosoの新曲、ウエルメイドなメロディにシンプルなアレンジ、二人のデュエットが清清しいオープニングに相応しい1曲、トラック02はCarol Banawaのヒット曲でOPMファンにはおなじみの定番ラブソング、Mayaのソロボーカルを満喫できます。トラック05はOPM界の重Ryan Cayabyab氏の作曲でBugoy Drilonのデビューヒット、こちらもMayaのソロで、シンプルなアレンジとハスキーなMayaのボーカルで聴くこのトラックは秋めいてきた日本で流すと思わず感傷的な気分にさせられます。
続くトラック06はVST & Companyの大ヒット曲でJanno Gibbs、Nyoy Volanteらもカバーしいずれも大ヒットとなっているR&B系OPMバラードの定番、Migzもアコースティックアレンジに乗せて上手く歌いきっています。
二人ははYeng Constantinoのヒット曲を2曲カバーしていますがトラック07は昨年Sarah GeronimoとPiolo Pascualが共演した映画「Breakup Playlist」のテーマソングとしても使用された1曲、二人のデュエットが聴き物です。
後半に入ってトラック11は今Star recordsのエグゼクティブプロデューサーとして大活躍、Chariceら超大物シンガーの楽曲を手がけているJonathan Manaloの初期のオリジナルソングでAiza Segueraによるヒットで知られるPara Lang Sa'Yo、この曲もMayaのボーカルが光っています。
トラック13は若手ソングライターRox Santosのペンによる新曲、Rox Santosの書く曲はいろいろなジャンルの音楽を吸収してそれらを上手くポップでメロウな独自サウンドに仕上げていて良い作品が多いですが、今回の1曲も甘く切なくてグッと来るメロディの中に様々な要素が盛り込まれた内容の濃い佳作です。二人のデュエットも聴き応え十分。
トラック10、14、16はいずれもStar records主宰のHimig Handogのファイナル曲ですが、美しいそれらの楽曲をデュエットでしっとりと、時にエモーショナルに歌っています。
全体的に甘く独特の湿気を帯びたフィリピンの空気に包まれながら聴いているようなメロウで切ない感触のこのアルバム、何かと感傷的になる日本の秋にぴったりな16曲です。
因みに、Mayaはオーディションにエントリーしていた当時、本名(?)のAngeli Mae Floresで活動していましたが、アメリカでBlushのメンバーとしてデビューした時もAngeli Maeのステージネームを名乗っていました。
フィリピン・インド・香港・日本・韓国の5ヶ国から選ばれたシンガーによるユニット
Blush(Band)はWikipediaにも記事がありますのでご参考までに…