リリース:2015年6月
レーベル:MCA music
フォーマット:CD
歌詞カード:あり
収録曲:
01. Puede Nang Mangarap
02. Malalampasan
03. Iingatan Ka
04. Sa Isang Awit
05. Ngumiti Ka Lang
06. Kung Kaya Mong Isipin
07. Tayo Ay Maglaro
08. Puede Nang Mangarap - remix
一口メモ・・・
The Voice Kids Philippinesシーズン1のウイナーLyca Gairanodちゃんの待望のデビューアルバムです。
2004年11月生まれの彼女はまだ10歳!オーディションに出場していた頃は9歳でボーカルにもまだまだ幼さを感じましたが、このアルバムはその半年くらい後でレコーディングされたものでしょうか、成長の早さを如実に感じさせ、多分吸収もものすごくハイペースなのでしょう。低音部もとても10歳の喉から出てくるとは思えないしっかりしたもの。以前から身に付けていたビブラートもしっかりコントロールが効いていて、出すべきところとそうでないところのメリハリがはっきりとしています。
想像するに、ジャケット写真やアルバム装丁のコンセプトが考えられた時期と、実際のレコーディング時期とのほんのちょっとしたタイムラグの間に、既にジャケットからイメージされる「幼さがかわいい」シンガーから完全に脱皮してしまったのでは・・・と思われます。
このギャップがまたたまらなく面白いアルバムで、いい意味でアンバランスというか、周囲の予想をはるかに上回るペースでシンガーとしてのスキルを身に付けているLyca。
トラック03、04のバラードはおもわずほろっとさせられるような、落ち着いて堂々とした歌いっぷりで聴くものの心までやさしい気持ちにさせる説得力を感じさせます。
余談ですが、フィリピンのメディアでは良く報じられていますとおり、Lycaが生まれた家庭は我々がインターネットなどで見ることの出来る典型的な「フィリピン貧困層」。
Lyca自身が出場・入賞して得た賞金はもちろん家計の足しになっていますが、それに加えて個々の家々の軒先や人の集まるところで歌を披露して食べ物などの施しを受けていました。
アルバムを聴いていただくとお判りの通り並外れた資質と10歳とは思えないスキルを既に身に付けている彼女ですが、その才能を開花させた(場数を踏ませた)「要因」に目を向けると、何か複雑な思いが胸にこみ上げてきます。
しかし、Sarah Geronimoはじめ、Lea Salongaも彼女への同情心からウイナーに選んだわけではないこともこのアルバムを聴けば一目瞭然、「いっぱしの、素敵なシンガー・Lyca」として応援していきたいです。